能一曲の中には、言葉の部分と囃子のみ(楽器の演奏のみ)の部分があり、囃子のみの部分は、舞(マイ)として表現される。
舞にもいく通りかの種類があり、それぞれの曲に それぞれの舞が組み込まれている。5番 それぞれに それぞれの特色をだす為の舞があるのである。
主に笛の音にあわせてシテが動く。勿論 小鼓 大鼓 太鼓の囃子の演奏も加わっているのはいうまでもない。
前述した通り 能の演者の構成は、パートごとの 専門職であり分類は次の通り、
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■ シテ方 |
(主役) |
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■ 狂言方 |
(狂言役)=人物担当 |
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■ ワキ方 |
(脇役) |
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■ 囃子方 |
(笛 小鼓 大鼓 太鼓)=楽器担当 |
しかし乍 シテ方以外の役を欠く曲 あるいは、太鼓を欠く曲も若干あるということは 付け加えておく。
又 能の台本の謡曲は、それ自体立派な「 劇文学作品」であり、それまでにあった古典(物語・説話・歌 など)を素材・典拠としたものと 独自の修辞によって曲を成している場合が多い。
また、作者自身の創意でつくられた曲も少なくはない。
しかしながら、作者が誰なのかわからない曲もいくつかあり、伝不詳とされ、現行曲として、現在も上演されている。
能をあえて現在の言葉で表現するとすれば、オペラ ミューディカルといった歌劇 舞劇の要素も含み、又 日本独特の わびさび といった精神を備え 静と動を表現する総合芸術なのであり、日本を代表する伝統芸術としての地位は高いのである。
それは 日本古典の文化 精神といった要素も過分に含まれ 又 装束(衣装)にも古典が表現されている事からでも理解出来るはずである。